娘の特発性血小板減少性紫斑病:発症から完治まで(写真画像あり)

娘は、生後4ヶ月のときに、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)という病気になりました。

特発性血小板減少性紫斑病(ITP)とは、はっきりとした原因がわからずに、血液を固める働きをしてくれている血小板の数が、著しく減少してしまう病気です。厚生労働省指定の難病になります。

血小板の数が減少してしまうと、出血しても血が止まりにくくなったり、体内で、内出血を起こすため、体中に、あざ(紫斑)ができたりしてしまいます。

娘は、約1ヶ月間、入院をして、その後、半年間の通院を経て、無事に完治することができました。

このページでは、娘がITPを発症してから完治するまでの経過について、お話します。現在、お困りの方に、少しでもお役に立てる情報がありますように。。

予防接種後に感じた異変

私の娘は、36週と3日で、この世に誕生しました。早産になります。

生まれてからしばらくは、おっぱいの飲みがあまり良くなく、体重が安定するまで、とても大変な思いをしました。

初めての子育てで、予防接種に関する知識もあまりなかった私は、推奨されている予防接種のスケジュール通りに、注射を打っていかないといけないと思い込んでいました。

娘が、生後3ヶ月(4月14日)のときに、まず、BCGの予防接種を打ちました。それから、1ヶ月後(5月16日)に、三種混合の予防接種を打ちました。そして、その1週間後(5月23日)に、Hibの予防接種を打ちました。

血小板:注射当日

今、思えば、娘は、通常よりも1ヶ月ほど、早く生まれているのですから、もう少し、ゆとりを持って、1、2ヶ月ほど遅らせて、予防接種を受けていけばよかったです。小さく産まれた娘に、無理をさせてしまったのではないかと、今でも、心が痛みます。

Hibワクチンを打った後、家に帰ってきて、注射のあとに貼ってもらったテープをはずしたときのことです。

いつもなら、注射のあとがプツンとしているだけなのですが、そのときは、まだ、血が止まっておらず、少量の血が流れ続けていました。

「注射してから、随分たつのに、おかしいなぁ。」

そのときは、その程度にしか、思っていませんでした。

その翌日(5月24日)、娘は38度の熱を出しました。顔をよく見ると、小さい、赤い点々ができています。注射をした部分の周りにも、同じような赤い点々があります。この赤い点々は、湿疹みたいなものではなく、小さくて薄い赤色をした、ほくろのような感じでした。

なんとなく、異変を感じた私は、すぐさま、予防接種を受けた病院へ行きました。

お医者さんからは、「予防接種のあとに、発熱するのは、よくあることなのよね。」と、にこやかに言われました。また、顔と腕の赤い点々について伺ったところ、お医者さんは、「なんだろうねぇ。」の一言のみでした。

お医者さんの態度から、私は、

「そんなに気にすることないのか。よかった。」

と一安心して、家に帰りました。その日は、それから、ずっと安静にしていました。

 

経験を積まれたお医者さん

次の日(5月25日)、熱も下がったので、夜、娘をお風呂に入れ、着替えさせていたときのことです。

顔に、薄黒い、小さな点々ができていました。よく見てみると、舌の先は血が滲んでいるようでした。また、白目は充血していて、体のあちこちに、あざができていました。

こちらが、そのときの娘の写真になります。

血小板:入院前

少し、わかりずらいのですが、娘の顔に、黒っぽい小さい点々があるのが、分かりますでしょうか?これ、ホクロではありません。さらに、よく見てみると、舌の先が、赤くなっています。

「これは、絶対におかしい。」

子どもの緊急時に相談できるところへ、電話をして、事情を説明すると、近くの大学病院を紹介してくれました。その大学病院へ電話したところ、たまたま、小児科のお医者さんが、残っていてくれていて、すぐに診てくれることになりました。

仕事から、早めに帰宅してくれた主人と共に、病院へ向かいます。

お医者さんに事情を説明し、赤い点々、舌や目の充血、体中のあざを診てもらいました。お医者さんは、「血液検査をしましょう。」と言い、看護士さんが採血をしてくれました。

まだ、血液検査の結果もでていない段階で、そのお医者さんは、「おそらく、娘さんは、特発性血小板減少性紫斑病でしょう。この赤い点々やあざは、体の中で内出血が起こっているために出てきています。舌や目の粘膜も出血していることから、血小板の数は、相当、少ないでしょう。すぐに、入院が必要です。ちょっと、長い入院が必要かもしれません。」と言われました。

「長い入院って、どのくらいなんだろう…。」

一気に、不安が押し寄せてきます。

血液検査の結果、そのお医者さんの言葉は的確で、通常、150,000~360,000あるはずの血小板の数が、娘は6000と、極度に少なくなっていました。

昨日のお医者さんは、赤い点々に対して、「なんだろうねぇ。」だけだったのに…と、嘆く私に、そのお医者は、「たくさん症例をみてこないと、この赤い点々を見ただけで、内出血だと分かるお医者さんは少ないですよ。」と、面識もないであろう、昨日のお医者さんのことを、フォローされていました。

症状をみて、すぐに病気の疑いがあるとわからないお医者さんもいれば、パッとみただけで、病状を的確に言い当てられるお医者さんもいる。

「経験ってすごいな。」

と実感されられました。

娘の治療方法

お医者さんから、娘の治療方法について、説明がありました。

娘の血小板があまりにも少ないことから、頭の中で内出血が起こっていてもおかしくないこと、命に関わる数値であること、すぐさま、治療にあたらなければいけないことを言われました。

免疫グロブリン(ガンマグロブリン)を投与するために、血液製剤についての説明を受けた後、使用同意書にサインをしました。

それからすぐに、娘の治療が始まりました。

主人と私は、一旦、家に帰り、必要なものをまとめ、再び、病院へ行きました。夜中の2、3時くらいのことだったと、記憶しています。

そのときに頂いた、入院診察計画書には、次のように書かれていました。

病名:血小板減少性紫斑病
病状:口腔内の出血斑、顔面の紫斑、上下肢の紫斑
治療計画:ガンマグロブリンの投与、効かない場合は、ステロイド治療
検査内容:適宜、採血などを行います
推定される入院期間:3~4週間と考えています

ガンマグロブリンは、24時間かけて、投与されました。こちらは、投与中の写真になります。

ガンマグロブリン投与①

写真の左側にある青い機械に大きい注射器がセットされています。その中に、ガンマグロブリンが入っています。

ガンマグロブリン投与④

点滴の針が刺さっている手を動かしては危険なため、手から腕にかけては、板と包帯で固定されています。

まだ、生後4ヶ月の赤ちゃんでしたので、投与中も2時間おきに、授乳をしました。

娘の表情を見ると、まったく元気がありません。こちらの写真は、投与中のぐったりしている娘です。

血小板:投与中は元気なし

 

ガンマグロブリンの投与終了

ガンマグロブリンの投与が終わりましたが、効かなかった場合、すぐに、ステロイド治療ができるように、点滴の針は抜かれていません。ですから、手と腕は、板と包帯に固定されたままです。

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また、点滴の針が刺さっていない方の腕からは、採血が行われました。

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血小板が少ないため、血を止めることができず、採血のたびに、内出血が広がっていきます。

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同じ場所から採血するのを避けるため、腕だけでなく、いろいろな場所から採血が行われました。

手の甲から採血したときは、娘が暴れたため、手を固定されての採血でした。血小板の数が僅かしかないため、ひもやゴムで、少し拘束されただけでも、内出血が起こってしまいます。

こちらの写真は、採血後の娘の手です。

ガンマグロブリン投与後②

血小板の数値をみるため、採血は必要不可欠でしたが、採血のたびに、泣き叫ぶ娘の声を聞き、広がっていく内出血をみて、毎日、私の心は引き裂かれそうでした。

1度、足のかかとから採血したのですが、採血後、血が止まらず、しばらくの間、流れ続けることもありました。採血用の注射針は、あんなに細くて、血管にあく穴も、とても小さいはずなのに、血小板が少ないと、そのわずかな穴から、血が流れ出てくる…。血小板の働きってすごいですね。

入院4日目、血小板の数値が上がってきてくれたため、ようやく、板と包帯がはずされ、採血用の針も抜かれることになりました。

こちらは、手が自由になった娘の写真です。

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娘も、手を自由に動かすことができるようになって、嬉しそうでした。このときは、まだ、顔も手も、紫斑が目立っています。

腕にも、赤色や紫色の斑点が無数に出ていました。これらは、すべて、内出血になります。

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娘の入院生活

ガンマグロブリンの投与で効果がでたため、治療はひとまず終了しました。あとは、適宜、採血が行われ、血小板の数値の経過をみていきます。

採血以外は、とくに何もすることがありませんでした。入院中の娘と私の1日のサイクルは、「寝て、授乳して、抱っこして…」の繰り返しでした。

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こちらは、入院ベッドの写真です。

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入院ベッドには、子どもが落下するのを防止するために、柵がついていました。

娘は、まだ、寝返りができていませんでしたが、もし、寝返りがうてていたり、動き回るくらいの月齢でしたら、この柵のまわりに、クッションのようなものが固定されるとのことでした。なぜなら、柵に頭をぶつけて、頭の中で内出血してしまうのを防ぐためです。

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娘が寝ている間に、家に帰り、洗濯をして、おにぎりを作って、再び、病院へ。

授乳中でしたから、添加物がたっぷり入った市販のご飯を食べるよりは、分づき米で作ったおにぎりの方が良いだろうと、毎日、毎日、おにぎりを食べていました。このときは、おにぎりを作るだけで精一杯でした。

分づき米については、こちらの記事にまとめてあります。

玄米が苦手なあなたにもおいしく食べられる分づき米玄米が体に良いとは知っているけれど、「パサパサしていて、おいしくない。」、「毎日は、食べたくない。」、「自分は食べたいのに、家族が嫌がる...

物を置く台には、作ってきたおにぎり、お水、コップ、歯ブラシなどが並んでいます。

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娘は、小児科のフロアから出ることを許されていませんでしたので、娘を抱っこしながら、小児科の廊下を、1日に、何往復もして、時間を潰しました。

ときには、看護士さんが、ベビーカーを貸してくれましたので、ベビーカーでも廊下を、行ったり来たりしていました。

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夜には、仕事帰りの主人が来てくれます。行く場所もないので、病室から、窓の外を眺めているところです。

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お医者さんが教えてくれたITPのこと

お医者さんからは、ITPについて、以下の説明を受けました。

① ITPには、急性期と慢性期がある

ITPは、一時的なもの(急性期)と、この先もずっと続くもの(慢性期)とに、分かれます。

② 小児の70~80%は急性期ITPで、6ヶ月以内に寛解する

小さい子どもが、ITPを発症した場合、その大多数が、一時的なものでり、6ヶ月以内に、完治まではいかないけれど、症状が落ち着いていくことが多いようです。

③ 急性期から慢性期に移行することもある

ただし、少数の子どもは、一時的なものではなく、ITPと一生、付き合っていくことになります。

④ 紫斑の原因としては、血管のもろさと凝固因子があげられる

紫斑の原因としては、具体的に、次の3つが考えられます。

■ 血管がもろく、すぐに破けてしまって、内出血してしまう場合。

■ 血小板を作る機能に問題があって、血小板が作られないために、血小板の数が少なくなり、その結果、血を止めることができないために、内出血してしまう場合。

■ 血小板に何かがくっついてしまい、体が、血小板を異物だと認識して、体から排除しようと攻撃しているため、血小板の数が少なくなり、その結果、血を止めることができないために、内出血してしまう場合。

⑤ 予防接種が引き金になった可能性がある

Hibワクチンを打った直後の出来事でしたので、私は、Hibワクチンのせいで、この病気が発症したのではないかと感じていました。

しかし、お医者さんからは、Hibワクチンを打ったとき、既に、血が止まりにくくなっていたのなら、その前に打った、三種混合の影響も考えられると説明されました。

また、予防接種が、ITPの直接的な原因であるとは言えないが、予防接種がITPの引き金になったことは確かであるとも言われました。

退院許可がでるまで

入院当初は、6,000であった、血小板の数が、ガンマグロブリンのおかげで、日に日に、増加していきました(具体的な数値の経過については、後程、お伝えしますね)。

ガンマグロブリンの投与後、血小板の数値が増加し、ピークまでいった後、今度は、徐々に減少し始めます。血小板の数値の減少が、ある程度の値で、横ばいになった場合は、急性期ITPであったと判断されます。一方、数値の減少が横ばいにならずに、減り続けた場合は、慢性期ITPと判断されます。

娘が慢性期ITPに移行しないかどうかを見極めるため、適宜、採血をしながら、数値が横ばいになるのを待つことになりました。数値が横ばいになったのが、確認できるまでは、入院の必要がありました。

ガンマグロブリンのおかげもあって、娘の血小板の数は、1,200,000まで増加しました。ガンマグロブリンの効果がでてよかったと思う反面、今度は、数値が減少していくのを待たなければいけません。

数値が上がりすぎてしまったため、減少していくのに、時間がかかりました。

「一体、いつ退院できるのだろう…。」

そんなことばかり考えていました。

入院から3週間目、血小板の数値の減少が穏やかになりました。娘に新たな紫斑もみられなかったことから、ようやく、退院の許可がでました。退院後は、半年ほど、通院しながら、採血を行い、血小板の数値の経過をみていくことになりました。

こちらは、退院の日の写真になります。

「よくがんばったね。」

退院① 退院②

こちらは、病院から家に帰ってきたところの写真です。

退院③

ホッと一安心したのを覚えています。娘も安心したのか、この日は、ずっと眠り続けていました。

血小板の数値の経過

さいごに、ガンマグロブリンの投与後、血小板の数値が、どのような経過をたどったのかについて、具体的な数値をお伝えしますね。

発症してから、約半年間分の血液検査の結果から、PLT、AST(GOT)、ALT(GPT)の3項目について、抜粋しました。

PLTというものが、血小板の数値になります。

AST(GOT)、ALT(GPT)というものは、肝機能にまつわる数値になります。娘は、こちらの数値が高めで、肝障害の疑いがあるかもしれないと、こちらの数値の経過もみていくことになりました。

日付発症何日目血小板:PLTAST(GOT)ALT(GPT)
05月25日1日目0.68265
05月26日2日目0.67253
05月27日3日目3.9
05月28日4日目11.312368
05月31日7日目58.215095
06月04日11日目120.9183187
06月06日13日目102.112983
06月11日18日目69.314585
06月14日21日目53.211878
06月18日25日目42.98958
06月25日32日目41.810556
07月09日49日目40.313686
07月18日58日目43.9172133
08月06日77日目39.511687
08月21日92日目44.19669
09月24日126日目48.18866
10月18日150日目51.57142
11月26日189日目47.25834

まず、PLTの数値の経過をみてみます。

娘の血小板の数値は、発症した日が0.6でした。それから、少しずつ上がっていき、発症7日目には58.2、発症11日目には120.9まで、増加してくれました。その後、減少が始まり、発症25日目以降は、40~50の間で落ち着くことになりました。

次に、AST(GOT)と、ALT(GPT)の数値をみていきます。

子どもの場合、AST(GOT)と、ALT(GPT)の数値は、大人より、正常値が高めに出るのだそうです。ただ、2桁までが許容範囲らしく、3桁になってしまうと、肝障害の疑いがでてくるとのことでした。

お医者さんからは、もし、このまま、数値が上がり続けて、300~400くらいになるようなら、再び、入院して検査をすると言われました。また、50以下まで下がっていくようなら、病的なものではないという説明も受けました。

娘は、度々、3桁の数値が出ていましたので、採血以外に、別の検査もすることになりました。

肝臓の超音波検査の結果、肝臓の内部に変わったもの、脂肪肝などは見当たりませんでした。その他、B型肝炎、C型肝炎、サイトメカロウイルス、EBウイルスについても、とくに異常はなかったため、肝臓の機能は問題なしと診断されました。

さいごに

現在、娘は、元気に暮らすことができています。

一昔前なら、命を落としていた紫斑病。西洋医学が進歩してくれたおかげで、今の娘がいます。

あいら現在

ITPを発症してしまった方、また、現在もITPと共に生きている方に、愛と希望、祈りを込めて…

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